黒瀧山不動寺(南牧村)概要: 黒瀧山不動寺は群馬県甘楽郡南牧村大塩沢に境内を構えている黄檗宗の寺院です。黒瀧山(標高:870m)は古くから神が住む山として信仰されてきた所で1300年前、行基菩薩(奈良時代の高僧)が自ら彫り込んだとされる不動明王像を安置したのが創建と伝えられています。
その後、黒瀧山不動寺は山岳信仰の山として栄えていましたが室町時代には荒廃、江戸時代中期の延宝3年(1675)潮音道海禅師が中興開山し現在見られる姿に整えられました。潮音道海禅師は5代将軍徳川綱吉が帰依していたことから寺運も隆盛し、綱吉の嫡子である徳松や出身である佐賀藩主鍋島光茂、綱茂などの位牌が安置され、元禄6年(1693)には、末寺、支院庵は200余を数えたとも言われています。
黒瀧山不動寺の本尊は行基作と伝わる12年に一度開帳される秘仏となっている金躰不動明王像と元禄7年(1694年)に寄進された釈迦如来(釈迦三尊仏)で、境内は貴重な事から昭和53年(1978)に南牧村指定史跡に指定されています。
又、境内にある黒瀧山の大スギは推定樹齢300年以上、根周り10m、目通り6.6m、樹高約41m、枝張り東西約15m、南北約17mの巨木で貴重な事から昭和27年(1952)に群馬県指定天然記念物に指定されています。絹本著色七師七友図は貞享2年(1685)潮音道海禅師が作成したもので貴重な事から平成11年(1999)に群馬県指定文化財に指定されています。
黒瀧山不動寺山門は江戸時代後期の寛政10年(1789)に造営されたもので、入母屋、鉄板葺き、一間一戸、四脚楼門、上層部正面には花頭窓、高欄付。開山堂は安政5年(1858)に再建されたもので木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行3間、外壁は真壁造板張り、内部には須弥壇が設置され潮音禅師寿像や徳川徳松丸、鍋島光茂、鍋島綱茂などの位牌が安置されています。
不動堂は木造平屋建て、重層宝形造、鉄板葺き、桁行3間、張間3間、外壁は真壁造白漆喰仕上、内部には厨子が置かれその中には金躰不動明王像が安置されています。不動堂背後の岩壁からは「龍神の滝」が流れ落ち、比較的新しい銅造不動明王像の他、滝の裏側には弘法大師空海が自ら彫刻したと伝わる中尊:不動明王像、脇侍:矜羯羅童子、制多迦童子が刻まれ、天女窟には弁財天像が安置されています。
大雄宝殿は所謂「本堂」と同じ機能を持った施設の事で、木造平屋建て、入母屋、鉄板葺き、平入、桁行5間、張間4間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造板張り、内部には釈迦如来(釈迦三尊仏)が祭られてます。山号:黒瀧山。寺号:不動寺。宗派:黄檗宗。本尊:不動明王。
南牧村:神社・仏閣・再生リスト
|