熊野神社(安中市)概要: 熊野神社は群馬県安中市安中3丁目に鎮座している神社です。熊野神社の創建は室町時代末期の永禄2年(1559)、当時の領主である安中忠政が安中城を築く祭、城の鬼門除けとして熊野三社(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を勧請したのが始まりと伝えられています。
以来、歴代安中藩(藩庁:安中城)の藩主の崇敬社となり庇護され、社殿の造営や改修、社領などが寄進されています。
又、熊野神社は安中城下の総鎮守として地域住民からも信仰され境内は参拝者で賑ったそうです。当初は神仏混合で熊野大権現と称していましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により神社として独立し熊野神社と社号を改称しています。
熊野神社の社殿は、本殿が三間社、春日造り風(切妻、妻入、正面千鳥破風、向拝付)、銅板葺き、高欄、脇障子付。幣殿は両下造、銅板葺、間口1間、奥行2間、外壁は真壁造板張、高欄。拝殿は入母屋、銅板葺き、正面千鳥破風、桁行5間、梁間2間、唐破風1間向拝付、向拝懸魚、欄間、木鼻には精緻な彫刻が施されています。
熊野神社社殿は室町時代の作風が残る建物で社殿指絵図などの資料が残る貴重なものとして昭和37年(1962)に安中市指定重要文化財に指定されています。境内にある大欅は古くからイボが取れる伝承がある推定樹齢1000年、樹高8m、幹周6.2mの大木で昭和37年(1962)に安中市指定天然記念物に指定されています。
熊野神社は社宝も多く、元文4年(1739)9月1日に描かれた「熊野神社祭典絵巻」1巻と、「熊野神社指絵図(拝殿絵図・御本社御幣殿御拝殿向拝御妻十分乃一図・御本社御裏十分乃一図・御本社之間三十分之一割図)」4巻と、狩野法眼永秀和信によって描かれ文久元年(1861)11月に奉納された「絵馬」と、安中藩主板倉勝明が嘉永7年(1854)8月1日に奉納した「唐金下げ燈籠」3個が安中市指定重要文化財に指定されています。
又、神門(神社山門)は安中城が廃城になった際、東門が移築されてきたと伝わる建物で、安中城の遺構として貴重なものとされます。祭神は大穴牟遅命・少名毘古那命・櫛御気野命。
熊野神社:上空画像
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